歯周病はバイオフィルム感染症

歯周病や虫歯の原因となる歯垢(プラーク)はたくさんの細菌がつくるバイオフィルムです。

  • 歯垢(プラーク)はたくさんの種類の細菌がフィルム状(うすい膜状)になった集合体で、歯と歯ぐきの境目や歯周ポケット内に強固に付き、歯ブラシ等では簡単には取り除けません。  
  • 歯周病の場合、バイオフィルムが歯の表面や歯周ポケット内に存在すると周囲に炎症が生じます。放っておくと、歯ぐきが腫れ出血し、膿が出てきて、歯周病が進行します。歯周ポケット内の歯石は、歯周病を悪化させます。早めに除去し、健康な歯茎を取り戻しましょう。
  • バイオフィルムは除去しても12~16週(3~4ヶ月)もすればまた作られると言われています。ですから歯科医院にて歯科衛生士による専門的な機器器具を使った定期的な除去をお勧めします。

歯石除去の流れ

1.処置前

歯周ポケット

歯周ポケットの中の歯石(歯肉縁下歯石)の影響で歯ぐきが腫れ、歯を支えている歯槽骨が破壊されます。

2.歯石除去(スケーリング)

スケーリングで歯肉縁下歯石を取り除きます。

ハンドスケーラー
歯科医や歯科衛生士が手でかき取ります。

超音波スケーラー
超音波の振動と水を使って歯石を細かく砕きます。

3.完了

歯石を取ると、赤く腫れて出血しやすかった歯ぐきの炎症は改善し、引き締まってきます。

歯周病は生活習慣病

歯周病は、今まで徐々に進行するといわれていました。最近では、急に悪くなる時期(勃発期)と静止期を繰り返しながら進行していくことがわかっています。そこで勃発期に感じる変化に十分注意し、早めに歯科医に相談し、治療を受けることが大切です。
歯周病の直接の原因はプラークがたまることからはじまります。プラークは食べ物のなかの糖分と誰の口の中にもある細菌によってでき、プラークの90% 近くが細菌です。また歯周病が進行してできる歯周ポケットの内側には、1mg(湿重量)あたり400種、1億個以上の細菌がいて体との間で、免疫応答といわれる戦いが繰り広げられます。抵抗力が弱まれば、全身にいろいろな症状があらわれてきます。
ですから歯周病を予防し、進行を防ぐには、まずプラークをためず、歯周病を進行させないことが大切です。また生活習慣を改めることも、大きなポイントになります。